【コラム】北海道科学大学工学部建築学科教授・当会副理事長 福島明先生
「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
3.換気装置の維持管理
■熱交換セントラル換気システムは、リスクのオンパレード
住宅の全般換気として専用の機械換気システムが普及しています。当然ですが、完成後には、保守が欠かせません。そこで、15年ほど前になりますが、維持管理の性能を点数化する方法を考えてみました。換気システムの中で掃除をしなければならない部位について、その状態によって点数付けをする仕組みです。多くの熱交換換気システムでは、100点満点で20点がいいところです。どう考えても長期的な維持管理が期待できる装置とは言えませんでした。換気装置のメーカーさんに注意を促そうとして作成し、発表もしたのですが、ほとんど反応は見られませんでした。
■汚れる場所と汚れた状態
まず3つの写真を見てください。最初は汚れたフィルターです(写真1・2)。熱交換換気装置の場合、排気にも給気にもフィルターがあります。外気を取り入れる部分では虫がたくさん入ってきて引っかかりますし、排気する部分では、衣服から出る綿ごみを中心にフィルターに引っかかります。次の写真です(写真3)。このフィルターを清掃する自分を想像してみてください。日本では、多くの場合換気装置は天井裏です。脚立に立って、腕をいっぱいに伸ばして、ふたのつまみを指先で操作して、ほこりを被りながら取り外します。普段のおそうじで、こんな危険な作業はそうないですよね。
そもそも、何のためにフィルターはあるのでしょうか?これは、熱交換素子を守るためなのです。フィルターがちゃんと設置されないと、写真のようになります。これらの部分にごみが詰まると熱交換ができないばかりか、換気が止まってしまいます。昨今の換気装置は、直流モーターを使い、フィルターなどが詰まってくると、換気量を確保しようとして、最大能力までファンが頑張ります。電気代が増えて換気ができなくなるという、最悪の事態も決して稀ではありません。
■ダクトシステムの汚れ
ダクト式の換気システムには、ダクトのほか排気口や給気口など、汚れが蓄積する場所がたくさんあるのです。そこで次の写真です。まず、換気フードの汚れです(写真4・5)。これは排気口ですが、防虫網がついているため、すっかり閉塞しています。通常フードは取り外しできないように設置されていますから、詰まったらおしまい。排気セントラル換気やサニタリーの局所換気を併用する場合にもよく見かける光景です。一方、給気側のフードでは、絶対掃除ができない、というわけではありませんが、掃除をしている例は見たことがありません。必要性も感じていませんし、気づいてもいません。この結果、虫やごみの詰まった汚れフィルターを通ってきた空気が室内に提供されるのです(写真6)。
室内からの排気口にフィルターを付けておくことは、室内の綿ぼこりが室内側で除去、掃除できるので、良いアイディアなのですが、見かけを気にして外側枠の中にフィルターを設置すると、汚れが見えなくなってしまいます。せっかくお掃除好きのお宅でも、気づかなければこうなってしまいます。汚れが良く見えて直接掃除できるような排気口を作ってもらいましたが、汚れが見えること自体が問題なのでしょう。ほとんど使われません。本当に残念です。
ダクトの中はどうでしょうか?施工効率を求めて小口径のフレキシブルダクトが普及しています。もちろん掃除は考えていませんね。20年以上の年月はダクトの中をどう変えるでしょうか?スウェーデンでは、ダクトシステム中は容易に清掃できることが条件です。その差は言わずもがなですね。
欧米で使われている熱交換換気装置は基本的に壁掛け型か床置き型です。換気装置を採用するのはホームビルダーですが、これらの保守に責任を取る気のある人はいるのでしょうか?もしそうなら、天井裏に換気装置を入れるなどということをするはずはないのです。もう一度、保守を考えてから換気装置を選びませんか?
2017年03月02日
コラム「換気システムの課題とこれからの住宅換気」・その3
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| コラム
2016年12月01日
コラム「換気システムの課題とこれからの住宅換気」・その2
【コラム】北海道科学大学工学部建築学科教授・当会副理事長 福島明先生
「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
2.24時間換気装置は働いているか?−換気装置が働かない訳−
ズバリ言いましょう。まともに働いている24時間換気は、極めてまれです。働かない状況や理由は様々ですが、根本的な理由は、人が室内空気質に対して鈍感であるということです。テレビ番組の情報ですが、100戸程度のマンションで、何人かの主婦の方を目隠しし、幾つかの住戸を廻るのですが、全員が自宅を言い当てるのです。特有の匂いがあるから、と思われがちですが、そうではなく、自宅だけが臭わないのです。人間の匂いに対する順化はとても強力で、初めての人には感じても、住んでいると全く匂いとして認識しなくなるのです。換気量不足がクレームにならないのはこれが理由です。暖房や冷房、給湯など、他の住宅設備はほんの少しの不調でもクレームですが、換気が多かろうが少なかろうが、居住者はなかなか気付かないのです。
換気の重要性は誰もが認めるところです。人間が体内に取り入れるものの中で空気が圧倒的に大きいことや、ほとんどの時間を建物内で過ごすこと、果ては換気不足になると子供の勉強能率が下がるなど、専門家はいろんなことを言いますが、必要性を感じない以上、まさに笛吹けど踊らず、という状態です。換気装置を意図的にあるいは無意識に止めている、スウィッチを切っている住宅の割合はどれほどでしょうか?調べたことがありませんが、多数派であることは、容易に予想がつきます。
換気装置が稼働し続けるためには、まず止まる訳を考えてみなければなりません。
■止まる訳 その1:住んでいる人が止める
最初に止める理由はとても簡単です。不快だからです。寒いから、音がウルサイから、乾燥するから、電気代がかかるから。電気代がかかるという感覚は、不快さの一部ですね。動いている事自体が苦痛なのです。そして、一旦止めてしまうと、室内環境は感覚的には何も変わらない。むしろ、止めている時には換気の運転による不快感がないわけですから、再度運転すると、よりその不快さが気になります。熱交換換気を止めていて結露し、連続運転するようお話しても、寒くて我慢できないと言って運転してくれない居住者は少なくありません。結果は明白、止まったままになる装置が増えてゆくのは自然の摂理です。
■止まる訳 その2:掃除をしない
「換気装置は掃除が必要です。」と言われたって、誰が喜んで掃除するでしょう。家事の中でも、最も不快でつまらない作業の一つではないでしょうか。図は、熱交換換気システムが設置されていて、少なくともスウィッチを切っていない住宅16戸の換気量を調べたものです。最低はゼロから、多いところは0.7回/hです。平均は0.2回/h程度ですから、お世辞にもちゃんと働いているとは言えない状況です。設計も適当・掃除もなし・検証もなし、では、当然の結果です。長年住んで、電気代を消費して、換気がゼロというのはあまりにももったいない。それでもご本人にとっては不都合なく暮らして行けているのですから、換気とは一体?
先日、パーソナル空調に取り組んでおられるデンマーク工科大学のメリコフ教授に特別講義をしていただきました。写真のようなアイディアですが、空調システムがフィルターだらけになるけど、メンテナンスは?と質問したところ、「空調システムのフィルターメンテナンスなんて、誰もしてない。むしろ一人ひとりだと自分で責任を持つから、その方が良い」とのお答えでした。もちろん全てのシステムがそうだというわけではありませんが、専門家からそうゆう言葉が出るほど、フィルターメンテは行われなくなるリスクが高いということなのでしょう。
■止まる訳 その3:設計・施工が悪い
その換気設備、ちゃんと設計・施工されていますか?換気システムは、様々なパーツで成り立っています。純正品をすべて使って、メーカーの言うとおり設計し、施工されている装置は、決して多くはありません。何故?高いから。適切な設計施工をして、風量検証まですれば、そんなに安い訳はないのです。換気は「安かろう・悪かろう」になり易い設備です。なのに、設計施工で風量検証をしている会社で設計・施工されるものは、本当に少数ですね。
換気装置が稼働し続けるために何が必要か、そもそもそれは可能なのか?私にとって終わらない課題です。
「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
2.24時間換気装置は働いているか?−換気装置が働かない訳−
ズバリ言いましょう。まともに働いている24時間換気は、極めてまれです。働かない状況や理由は様々ですが、根本的な理由は、人が室内空気質に対して鈍感であるということです。テレビ番組の情報ですが、100戸程度のマンションで、何人かの主婦の方を目隠しし、幾つかの住戸を廻るのですが、全員が自宅を言い当てるのです。特有の匂いがあるから、と思われがちですが、そうではなく、自宅だけが臭わないのです。人間の匂いに対する順化はとても強力で、初めての人には感じても、住んでいると全く匂いとして認識しなくなるのです。換気量不足がクレームにならないのはこれが理由です。暖房や冷房、給湯など、他の住宅設備はほんの少しの不調でもクレームですが、換気が多かろうが少なかろうが、居住者はなかなか気付かないのです。
換気の重要性は誰もが認めるところです。人間が体内に取り入れるものの中で空気が圧倒的に大きいことや、ほとんどの時間を建物内で過ごすこと、果ては換気不足になると子供の勉強能率が下がるなど、専門家はいろんなことを言いますが、必要性を感じない以上、まさに笛吹けど踊らず、という状態です。換気装置を意図的にあるいは無意識に止めている、スウィッチを切っている住宅の割合はどれほどでしょうか?調べたことがありませんが、多数派であることは、容易に予想がつきます。
換気装置が稼働し続けるためには、まず止まる訳を考えてみなければなりません。
■止まる訳 その1:住んでいる人が止める
最初に止める理由はとても簡単です。不快だからです。寒いから、音がウルサイから、乾燥するから、電気代がかかるから。電気代がかかるという感覚は、不快さの一部ですね。動いている事自体が苦痛なのです。そして、一旦止めてしまうと、室内環境は感覚的には何も変わらない。むしろ、止めている時には換気の運転による不快感がないわけですから、再度運転すると、よりその不快さが気になります。熱交換換気を止めていて結露し、連続運転するようお話しても、寒くて我慢できないと言って運転してくれない居住者は少なくありません。結果は明白、止まったままになる装置が増えてゆくのは自然の摂理です。
■止まる訳 その2:掃除をしない
「換気装置は掃除が必要です。」と言われたって、誰が喜んで掃除するでしょう。家事の中でも、最も不快でつまらない作業の一つではないでしょうか。図は、熱交換換気システムが設置されていて、少なくともスウィッチを切っていない住宅16戸の換気量を調べたものです。最低はゼロから、多いところは0.7回/hです。平均は0.2回/h程度ですから、お世辞にもちゃんと働いているとは言えない状況です。設計も適当・掃除もなし・検証もなし、では、当然の結果です。長年住んで、電気代を消費して、換気がゼロというのはあまりにももったいない。それでもご本人にとっては不都合なく暮らして行けているのですから、換気とは一体?
図 換気装置の換気量
先日、パーソナル空調に取り組んでおられるデンマーク工科大学のメリコフ教授に特別講義をしていただきました。写真のようなアイディアですが、空調システムがフィルターだらけになるけど、メンテナンスは?と質問したところ、「空調システムのフィルターメンテナンスなんて、誰もしてない。むしろ一人ひとりだと自分で責任を持つから、その方が良い」とのお答えでした。もちろん全てのシステムがそうだというわけではありませんが、専門家からそうゆう言葉が出るほど、フィルターメンテは行われなくなるリスクが高いということなのでしょう。
パーソナル換気 デンマーク工科大学メリコフ教授、特別講演から
■止まる訳 その3:設計・施工が悪い
その換気設備、ちゃんと設計・施工されていますか?換気システムは、様々なパーツで成り立っています。純正品をすべて使って、メーカーの言うとおり設計し、施工されている装置は、決して多くはありません。何故?高いから。適切な設計施工をして、風量検証まですれば、そんなに安い訳はないのです。換気は「安かろう・悪かろう」になり易い設備です。なのに、設計施工で風量検証をしている会社で設計・施工されるものは、本当に少数ですね。
換気装置が稼働し続けるために何が必要か、そもそもそれは可能なのか?私にとって終わらない課題です。
posted by パッシブシステム研究会 at 11:18| Comment(0)
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2016年11月16日
コラム「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
【コラム】北海道科学大学工学部建築学科教授・当会副理事長 福島明先生
「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
1.空気環境の安全性
住宅換気を理解いただくために、二つのクイズを用意しました。〇か×か、考えてみてください。
第一問 換気の目的は汚い空気を排出することである
第二問 換気量は一定でなければならない
室内の空気環境の安全から見た換気にとって、大切なことはなんでしょうか?気密化住宅を建てたときに換気を計画的にするということを計画換気という言葉で表現しました。計画換気というと「一定の換気量と計画した換気経路が維持されること」、という意見がありますが、本来求められているのは、居住者が理解し日常の生活の中で確実に換気が行われることです。もう一度計画換気の意味を考えて見ます。
■必要な換気を確保するということ
必要な換気とは何でしょうか?外気条件による換気量の変動が小さいことや、一定の換気量が考えられた通りの空気の流れに沿って排気をされていることでしょうか?よく考えてみると住宅では、換気量が一定であることはほとんど意味がありません。時間帯により人間の数は異なり、調理をしたり、ストーブを用いたり、運動したり、いろいろな生活があり、一日の中で汚染物資の発生量も大きく変化します。室温も違い、化学物質の発生量も時間により違うはずです。にもかかわらず一定換気量というのは、少々おかしい。私は一定換気量の必要は全くなく、とにかく止まらず、常時換気がされていることが一番大切だと思います。
■換気経路が維持されること
換気経路が一定である必要は?全般換気では局所換気と異なり、室内の汚染が薄まれば良いので空気の流れは一定である必要はありません。ある時には反対向きに流れても良いのです。換気は汚れた空気を排出することではなく、室内の空気が汚れた空気にならないようにすることなのです。うまく新鮮空気が供給されていれば、出て行くところは何処でもいいのです。なんせ、出て行く空気はきれいでなければならないのですから。それから漏気とすき間換気には大きな考え方の違いがあります。計画換気では、換気経路が不明確なのですき間換気に頼るべきではないという意見がありますが、私はそうは思えません。すき間から入ってくる空気も換気として評価し、良好な換気をするのが住宅に求められる計画換気の姿だと思います。
■止めないこと、止まらないこと、任せないこと
換気の安全性とはこの三つに尽きます。まず、換気量が増減することは問題ではなく、「止めないこと」が大事です。装置が動いている以上は、快適性への欲求から居住者が止める可能性は高く、特に機械騒音に対する不快感から止める可能性は否定できません。次に「止まらないこと」ですが、機械換気ではその保証はたいへん難しい。機械換気は知らない間に止まるのです。装置は動いていてもはじめから換気してない場合もあるし、汚れなどで風量が簡単に激減します。
「任せないこと」というのは居住者が換気を意識することです。シックハウス新法にも機械換気装置が止まらないようにしなさいと書かれています。これは居住者にとり大きなお世話なのです。要は知らない間に換気をしなさいと。居住者はばかで換気を止めてしまうから、気付かないようにしなさいと言うのと同じです。私はそれよりは換気をきちんと認識してもらうことがとても大事なことで、窓を開けることが一番直接的で効果のある方法だとしたら、それを居住者が選択できるような建物を造る。つまり、窓を開けられるような計画をすることがとても大事だと思います。これは簡単ではありませんが。
一番目の写真(写1)は換気装置が導入され始めた頃の設置例です。押し入れの中に本体が入っています。当初は、保守のため必ず露出するように言っていたので、15年ぐらい前はこの様な装置が多く、今でも簡単に掃除ができます。
次の写真(写2)は、現在最も一般的な設置例で、天井裏に設置し点検口を設けています。維持管理の面からも、全般換気としては絶対避けるべきですが、残念ながらほとんどこの様になっています。天井の点検口を開け、無理な姿勢で掃除するのは大変ですよ。
さて、換気のクイズの答え、お分かりいただけましたか?
「換気システムの課題とこれからの住宅換気」
1.空気環境の安全性
住宅換気を理解いただくために、二つのクイズを用意しました。〇か×か、考えてみてください。
第一問 換気の目的は汚い空気を排出することである
第二問 換気量は一定でなければならない
室内の空気環境の安全から見た換気にとって、大切なことはなんでしょうか?気密化住宅を建てたときに換気を計画的にするということを計画換気という言葉で表現しました。計画換気というと「一定の換気量と計画した換気経路が維持されること」、という意見がありますが、本来求められているのは、居住者が理解し日常の生活の中で確実に換気が行われることです。もう一度計画換気の意味を考えて見ます。
■必要な換気を確保するということ
必要な換気とは何でしょうか?外気条件による換気量の変動が小さいことや、一定の換気量が考えられた通りの空気の流れに沿って排気をされていることでしょうか?よく考えてみると住宅では、換気量が一定であることはほとんど意味がありません。時間帯により人間の数は異なり、調理をしたり、ストーブを用いたり、運動したり、いろいろな生活があり、一日の中で汚染物資の発生量も大きく変化します。室温も違い、化学物質の発生量も時間により違うはずです。にもかかわらず一定換気量というのは、少々おかしい。私は一定換気量の必要は全くなく、とにかく止まらず、常時換気がされていることが一番大切だと思います。
■換気経路が維持されること
換気経路が一定である必要は?全般換気では局所換気と異なり、室内の汚染が薄まれば良いので空気の流れは一定である必要はありません。ある時には反対向きに流れても良いのです。換気は汚れた空気を排出することではなく、室内の空気が汚れた空気にならないようにすることなのです。うまく新鮮空気が供給されていれば、出て行くところは何処でもいいのです。なんせ、出て行く空気はきれいでなければならないのですから。それから漏気とすき間換気には大きな考え方の違いがあります。計画換気では、換気経路が不明確なのですき間換気に頼るべきではないという意見がありますが、私はそうは思えません。すき間から入ってくる空気も換気として評価し、良好な換気をするのが住宅に求められる計画換気の姿だと思います。
■止めないこと、止まらないこと、任せないこと
換気の安全性とはこの三つに尽きます。まず、換気量が増減することは問題ではなく、「止めないこと」が大事です。装置が動いている以上は、快適性への欲求から居住者が止める可能性は高く、特に機械騒音に対する不快感から止める可能性は否定できません。次に「止まらないこと」ですが、機械換気ではその保証はたいへん難しい。機械換気は知らない間に止まるのです。装置は動いていてもはじめから換気してない場合もあるし、汚れなどで風量が簡単に激減します。
「任せないこと」というのは居住者が換気を意識することです。シックハウス新法にも機械換気装置が止まらないようにしなさいと書かれています。これは居住者にとり大きなお世話なのです。要は知らない間に換気をしなさいと。居住者はばかで換気を止めてしまうから、気付かないようにしなさいと言うのと同じです。私はそれよりは換気をきちんと認識してもらうことがとても大事なことで、窓を開けることが一番直接的で効果のある方法だとしたら、それを居住者が選択できるような建物を造る。つまり、窓を開けられるような計画をすることがとても大事だと思います。これは簡単ではありませんが。
一番目の写真(写1)は換気装置が導入され始めた頃の設置例です。押し入れの中に本体が入っています。当初は、保守のため必ず露出するように言っていたので、15年ぐらい前はこの様な装置が多く、今でも簡単に掃除ができます。
次の写真(写2)は、現在最も一般的な設置例で、天井裏に設置し点検口を設けています。維持管理の面からも、全般換気としては絶対避けるべきですが、残念ながらほとんどこの様になっています。天井の点検口を開け、無理な姿勢で掃除するのは大変ですよ。
さて、換気のクイズの答え、お分かりいただけましたか?
posted by パッシブシステム研究会 at 10:57| Comment(0)
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